往復動圧縮機の起動時はロードを0%にします(アンロード)。ロードを100%にすると駆動機に多大な負荷を与えるので避けなければなりません。ロード0%起動で駆動機に対する負荷は各メーカー様によりますが、100%ロード時のほぼ40%位です。0%ロード(以下アンロード)とはシリンダーのガス入口弁を強制的に開放しガス圧縮機能を抑える運転でピストン往復動に沿ってガスは入口弁で同じガスが吸込み/排出を繰り返します。ガスは下流側に流れないため吐出側圧力は上がりません。ガスの出入りは吸入弁/吐出弁共にガスの圧力荷重と弁内スプリングのスプリング荷重との荷重差の大小で発生します。アンロードはこの吸入弁のスプリング動作を強制的に止めることで行われます。運転は最初アンロードで起動しますが一定時間慣らし運転した後、フルロード(100%)あるいはハーフロード(25%、50%、75%等)に切り替えてロード運転を行いますがこの時ガスの吸入側圧力と吐出側圧力の状態を知っておく必要があります。
 吐出圧力が吸入圧力より同じか高い状態であればロードはすぐ掛かります(吐出圧力上昇)。めったにない事ですが吐出圧力が吸入圧力より低かった場合は運転はガスの押し出し運転となり、これにより吐出圧力が吸入圧力まで上がるまでこの運転は続けられ吸入/吐出とも同じ圧力になった時点でロードが掛かり出します(さらに吐出圧力が上がる)。アンロード運転後ロード運転に切り替える場合規定の吐出圧力に早めに届くまでロードは100%にした方が良いでしょう。各ハーフロードはその後に行うのが効率が良いと思われます。特にアンロード後の25%ロード切り替えはガス量が少なく吐出圧力はなかなか上昇しないケースが多いです。
 ここで圧縮機の吐出ラインを封止して運転したら吐出圧力はどこまで上がるでしょうか。シリンダーが壊れるまで永遠に上げられる訳ではありません。もちろん算出出来るので有限です。そしてそれ以上は上がりません。但しそれまでに吐出側の設計圧力を越える程の高圧になりますし圧縮比(⊿P=吐出圧力/吸入圧力)も高くなるので設計温度を越える程の高温になるので運転には気をつけなければなりません。